真空管交換!スイッチングで音は変わるのか?!後編
AO.です。
子持ちになりました。生後2ヶ月の勇敢な少年と日々戦っています。
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なんの話でしたっけ。
あ、そうそう、真空管の話でしたね。
ブログを書き出すと勇敢な少年は雄叫びをあげ、そうなると父親にAO.は変身し、必死の笑顔と努力であやします。そんな日々なので、ブログが遅々と進まないんですね。
あ、いや、真空管の話です。
おさらい
ギターアンプはマニアックな真空管を採用する方式が一般的で、僕もスタジオオーナーであるならば当然メンテナンス経験やその特性をさわりだけでも知り得ている必要があると思ったのです。
ギターアンプ用の真空管を購入する。 - AO.の音楽と楽器とたくさんの物欲。
真空管とはいわゆる増幅回路。なぜそこまでギタリストを虜にするのか。半信半疑でしたが、真空管(しかもパワー管)の交換だけで確かに音は変わるのでした。
真空管交換!スイッチングで音は変わるのか?!前編 - AO.の音楽と楽器とたくさんの物欲。
でも動画ではわかりません。
真空管交換後編の目的は
いよいよきました。真空管交換の醍醐味(と勝手に思ってる)である、プリ管の交換比較をしてやるぜ!
今回も前回に引き続き、専属アンプ職人 ひろし君と共にその違いを検証していきます。
準備物などは前回記事を参照頂けばいいですが、ポイントは
- プリ管を変えてみる
- アンプはBadCat Lil'15
です。
BadCat Lil'15(リルジューゴと読み)を知ってますか?
ブティックアンプとしてその揺るぎない立ち位置に存在するBadCatAmpですが、そのなかでもLil'15は面白い。過去発売された5wクラスアンプサイズのアンプヘッドにゴリゴリっと15w機構を盛り込んだ高集積型?アンプです。現在は既に廃盤となっており、中古市場でしか出回ることはありません。コンパクトなサイズながらBadCat soundはもちろん健在で、持ち運びにも適したサイズです。(適した重さではありません)
ただでさえ、音質に満足しているギターオーナーですが、今回真空管を変更することでさらに羽ばたくことができるのでしょうか。はたまた、艶めくBadCatの輝きを曇らす事になるのでしょうか。ドキドキ。
このアンプはAo.staPPのアンプではなく、Ao.staPPユーザのギタリストオーナーの私物アンプになります。この度はオーナーの許可を得てメンテナンス兼音質変化を体験します。
解体
アンプの真空管部分は残念ながら、蓋を開けてポポンというわけにいかないのがほとんどなんです。本気の解体は必要ないんですが、幾つか木ねじなどで止められたパネルを外します。
このパネルを外してアンプ部分を引き出します。
おふー。ごつっとしてますね。奥の2本はパワー管EL84系です。
シルバーの3つのうち、2つはいわゆるプリ管のch1 or ch2です。
真ん中の1つは位相反転回路でプリ管と同様の真空管が使用されています。
BadCat Lil'15は
ch1 | ch2 | 位相反転管 |
12AX7 | EF86 | 12AX7 |
ってな感じです。
余談ですが、昨今このEF86ってプリ管の販売が減っている様子なんですね。真空管を仕入れたエレハモでも取り扱いが終了してしまっている始末です。困った話です。と、同時に、ほとんどのギタリストはこの12AX7 x EF86系の回路のうち、12AX7 (クリーンチャンネル)しか需要がないということをさすのかもしれません。これらのアンプは確かに。という感覚もあります。前述のblackstar artisan15も同様の構成です。
いやぁ、しかしところ狭しって感じですね。。。このコンパクトなサイズに高層ビルのごとくひしめく真空管やトランスやら。これは大変そうだ。。中身も少し覗いてみると。。。
なんじゃこりゃぁあああ!
なんじゃこりゃ!!まるで時限爆弾やないか!切る線を間違えたら音が出ないどころか大爆発しそうや!タイマーはどこにあるんだ?!
って感じです。
爆発したら怖いので今回こちらは触りません。
ちなみにもぬけの殻となったアンプヘッドはこんな感じ。
うん。確かによう詰め込んだ。感心する。でもメンテできなさそう・・
真空管を差し替える
今回用意した真空管を順次差し替えていきます。
左から順番に
- SOVTEK 5751(今回の本命、高かったやつ)
- SOVTEK 12AX7WA(一般的な12AX7)
- GrooveTube 12AX7M(もともと付いてたやつ)
です。
想像するに、12AX7M:12AX7WAについてはそんなに違いがないだろう、あるいは聞き分けられないだろう。という想像をしています。
5751管は12AX7管と互換性のある完全な別物になるので、音色の違いが逆にはっきり出て欲しい感じです。
今回はクリーンチャンネル管と位相反転管を双方入れ替えます。
同じtubeのペアで確認していきます。
写真の手前右と奥の銀のソケットのtube を差し替えですね。
音比較
- GrooveTube 12AX7M(もともと付いてたやつ)
はい、いい音。とってもいい音です。これ以上、どうすればもっといい音になるのか具体的に言えないレベルのいい音。
- SOVTEK 12AX7WA(一般的な12AX7)
ふむふむ。。。想像通り、ってとこでしょうか。元のtubeでもいいかなって感じ。
(ちょっと作りが荒くて、差し込みづらかったりした。やっぱり、品質管理基準は低し)
- SOVTEK 5751(今回の本命、高かったやつ)
AO. : お、これ確かに違う感じ。
ひろし君 : これは確かに違う。さらりと中音が出すぎていない。
AO. : ウォームすぎない、サラサラという感じでとってもスッキリした音色だわ。
ひろし君 : こんなに変わるんやな。
こんなに変わるのか!
です。(前編記載の通り、iphone動画では全くその感じが伝わらないので割愛、残念無念)
このサラサラ感、伝えるためには良い録音機材を買う必要もあるでしょうね。。
しかし、この写真、、、全くbadcat感がないですね。。。
あ、あと、今回の音質変化を体験するためのギターは
- D'Angelicoのセミアコ
- japan vintage Joodee のストラト(マニアック)
あ、いや、どっちもマニアックなんですが、この2本で聴き比べています。
これら、音色の違いは、もう断然ストラトの方が顕著に現れます。
セミアコやレスポールなどのハムバッカーではその違いは大分丸まってしまうんでしょうか。
変わるんですが、体感は若干薄いですね。
まとめ
ドラマーではありますが、元ギタリスト的ところもあって、ギターアンプへの興味はずっとありました。ただアンプの内臓をこじ開けて真空管をメンテナンスするなど、ちょっと敷居が高かったし、怖かったんです。でもね。こんな感じにまとまります。
真空管スイッチは超簡単!5分でOK!
真空管で音色は確かに変わる。間違いない!
クリーントーンでは5751は結構おすすめ!(AO.とひろし君の好み大)
そう、そなんです。だから
もっと色々試したい!
スタジオで真空管スイッチ体験会でも開催しようかな?!
となってしまいました。
今度はVOXアンプをいじってみるか。。でも5751もうないな。。。
皆さんも真空管、触ってみたいと思いませんか?
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