「ザ・プロフィット」読了。ビジネスモデルじゃなくて利益モデル
書店では経営工学的なコーナーにて、トヨタ生産方式や、TOCシリーズ書籍に並び置かれていることの多い書籍です。この本を手に取ったきっかけはゴールドラット博士のTOCシリーズ書籍を読破した私が、その延長線上で読みたいと感じた本を模索した結果です。文字通り、「ザ・ゴール」横に置かれてたのでジャケ買い以前のレベルです。
↓ゴール
- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/05/18
- メディア: ペーパーバック
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同じところに置いてるんだから私に取って必要だろう
とね。
概要
経営の傾いた大企業の経営企画を勤めるスティーブ。起死回生を図るために利益の全てを知り尽くしたチャオ氏に8ヶ月に渡りマンツーマンで教えてもらう、利益モデルの物語。
利益モデルが織りなす23の仕組み、が紹介されています。
概要の感想
まず、
あ、ゴール系と全然違う
と思いました、失敗したかなぁ。。とも心配したんですが、これはこれで面白い内容がいくつか記載されてて最後まで気持ちよく、少々頭を抱えながら読むことができました。。。
その頭をかかえるところの感想がね。。。
これ、
難しいんす!
理解はできるが難しい。という感じです。スティーブとチャオの天才同士の理解の応酬も激しくて、一足飛びどころじゃなく3ソク飛びくらいで解釈されて話が進行して行くので、ついて行くのが大変です。3歩すすんで1歩下がってみたいな読み方になります。だから、、、つかれる^^;
という意味では、読者にわかりやすいように、自己啓発本じゃなくて小説、ストーリー形式で執筆された書籍ですが、小説感が薄い(←そこは失敗だよと言いたい)と私は感じます><
気づき
いくつかあるんですが印象的なところだけ絞って書いてみると
利益モデルとビジネスモデルは異なる
なんか本を買う前は、近いのか、いやでも違うだろうとかなんか漠然と意識もしていなかったんです。が、先日社内でBMC(business model cambus)の研修もした中で、はっきり別物であり、別軸で
ちゃんと利益モデルも考えなければならない
と感じされられました。ビジネスモデルキャンバスの枠に1つ追加して、そのビジネスモデルが何型利益モデルに当てはまるのか、を明らかにするのも良い気がしますね。
ビジネスモデルというと
単品販売モデルとか、継続課金モデルとか、手数料ビジネスとか、いわゆるインカムの発生のさせ方(売上計上の仕方)にフォーカスが当たります。私の理解は ビジネスモデル=売上モデル ですね。社内のBMC研修では大別すれば4種類くらいだみたいな話がありましたが、もう少しある気がします。
利益モデルというと
どういう風に儲けてるのか、文字通り利益を生み出しているのか、にフォーカスされるので、観点が売上だけではありません。売上の上げ方、コスト投下のしかた、コンサル、R&D,マーケティングのいわゆる「タイミング」、時間軸がセットになって考えられるものでした。
例えば
導入初期に損してその後得して行くパターン
イニシャルコストは利益トントンだが、ランニングフェーズに入ると囲い込みが完了していて、利益確保がなされる考え方。我がIT業界でのシステム導入(特に業務システム系)に当てはまる考え方だなと思います。
廉価品→プレミアム商品へのシフト
文中では失敗例として上がるのはガソリンスタンドのレギュラーとハイオクですが、いわゆるプレミアム商品の方が質も高いが利益も高い構造をもっており、しっかりそちらへ市場の目をシフトさせるマーケティングの目を持って行くことなどですかね。僕はレゴなどの大人向け製品などはそれに該当するんだよねという理解をしました。
などですね。ちょっと他にもあるんだけど文章でうまく説明できない、、Orz
理解が足らないかな、なんというか、、、
利益はエネルギー
大学の教授と生徒みたいな会話が展開されているのでなんか理屈っぽく感じるんですが、読んでいてとても感じるのはこれです。
高さや温度がエネルギー(カロリーで表されるもの)と物理の世界で理解されるが如く、利益とはまさに経済、企業のエネルギーという法則である。
的な考え方をとても感じるようになります。車内でも利益の重要性を解いていますが、重要性が高いとか低いとかそういうレベルではなく企業に取って最低限の欲求レベルで必要なものが利益、それがなければ文字通り「動かなくなる」ものなんだということを改めて感じました。
その上で、その生み出し方には様々なパターンがあるということです。
最後に
この書籍が2002年ということを考えると、そこから15年以上たった今、インターネット、スマホが完全にインフラ化した現在から想定される新しい利益モデルってのもあるのかなぁという風には考えます。そう思うとやはり現代は産業革命なんだなぁと思いますね。
と同時に、やっぱり読んだ結果として、古い本ですが、過去の話、というわけではなく、法則めいたものがしっかりあるんだなと感じます。会社の奴らにも訴えていきたいのですが、利益は、単純に売上-コストですがこの構造は想像以上に複雑で配慮が必要なナイーブなものであるということ。市場の波に乗り、市場と良好な関係を気づいて行くことがやはり売上だけじゃなく利益に取っても重要であること(当たり前か)。
その辺りを再認識させてもらいました。
- 作者: エイドリアン・J・スライウォツキー,中川治子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2002/12/14
- メディア: 単行本
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おまけ
また、この本ではたくさんの書籍が紹介されているんですが、その中でもそろそろ読んでみたいなと感じたのは、、、孫子ですね。。。
- 作者: 守屋淳,.
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/01/24
- メディア: 単行本
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- 作者: 守屋洋
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 1984/10/01
- メディア: 文庫
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1分間孫子の兵法 差がつくビジネス教養2 (1分間名著シリーズ)
- 作者: 孫武,齋藤孝
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: 新書
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超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫)
- 作者: 田口佳史
- 出版社/メーカー: 三笠書房
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実践版 孫子の兵法: 人生の岐路で役に立つ「最強の戦略書」 (小学館文庫プレジデントセレクト)
- 作者: 鈴木博毅
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/11/08
- メディア: 文庫
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めちゃあるなぁ、どれがいいだろうか。。。