AO.の音楽と楽器とお仕事とたくさんの物欲。

神がかった物欲衝動と趣味のまま長年継続している音楽活動、音楽スタジオに関する気ままなブログ。と、ビジネス中心度読書感想文。音楽中心かもしれないし、突き動かす物欲衝動で様々なものをレビューとかしてみようと思います。

"ザ・キャッシュマシーン" 読了!営業マネージャは今でも必読!

ザ・キャッシュマシーン

TOCに魅せられ続けている私です。
aostapp.hatenablog.com
などなどです。
今回読破したザ・キャッシュマシーンですが、この書籍の初版は2005年に発行されています。つまり

ゴールドラット博士が健在の時代に
コールドラット博士以外の人間が執筆

した本です。
ぶっちゃけ、そのスペックから、、、

まぁ、2流なんだろう

TOCのなんたるかはまだ学んでる最中の初級編であるにも関わらず、偉そうに考えておりました。

概要

グラフィック系技術、プリンター、スキャナー技術を持つCGS社の販売を通じて見えてきた課題をTOCの考え方で突破していく、痛快ビジネス小説です。2年間かけて、爆発的に営業パフォーマンスを向上させ、マーケティング長→営業本部長→ CEOに駆け上がっていくのはまさに痛快です。視点はマーケティング〜制約までの販売の一連のプロセスに加えて、顧客導入完了〜着金迄というお金の入りの全ての流れを追いかけていきます。
もちろんTOCの5つのプロセスにくわえ、クラウド、CRT、DBR、CCPMなどまさにTOCというのものを存分に使い成功していくお話です。

感想

読む前にまず言いたいことが一つありまして。

題名が下品というかゲンキンというか

他に言い方ありませんでしょうか?って思うくらいw嫌いじゃないんですけどね。

まぁそれはさておき、直近私は、小さなSI企業で営業監督もしてたり、販売パイプラインの整備なども直近で行ったりしたので、この話はかなり興味深く読み解く形になりました。そして

めちゃくちゃためになった!!

マジで。のちに述べる気づきが非常にたくさんあったことと、いわゆるSaaSの体力販売プロセスをベースとした現代のSalesPipelineの考え方とは少し異なる、利益に着眼したパイプラインの最適化がとても楽しい。

展開としては、
TOCエキスパートのバリーくんが主人公のすぐ近くにいることと、
主人公がかつてどのTOC書籍でも出てこないレベルで賢いことから、
話がスムーズに進みすぎるところが少し乱暴に伝わってくることもあるかもしれません。

しかし重要なことがちゃんと表や図解されているので、非常にわかりやすい。

あ〜わかりやすい。

気づき

販売プロセス単位のキャパシティ

先日会社でhubspotCRM(*free)の導入を行い、販売パイプライン管理を始めました。
パイプラインというのは、プロセスと、その販売確度(確度A,B,C,D的な)がメインなのかなと思っています。

sales pipeline のイメージ

本書ではそのプロセス単位のキャパシティに着目し文字通り制約を見つけ、活用強化を図ります。

  1. リード獲得
  2. 訪問、製品紹介
  3. ニーズの把握
  4. 提案と見積もり提示
  5. クロージング

とか簡単なパイプラインプロセスに対して、それぞれのステージの取引数とそのキャパシティを計測します。その結果、見積もり、提案に進んでいる取引が少ないということは、ここのリソースがボトルネックになってんじゃないの?
的なことを発見するところにあります。

感嘆

です。まじで。そうです、その通りです。と言いたい。
いきなりsales pipeline に対してTOCの制約理論スループット向上がここで出てくるんです。まだ50pくらいです。この本恐ろしいでしょ?

ソフトウェアエンジニア症候群

ソフトウェアエンジニア業界にいて、1エンジニアであり、そいつらをずっと育成してきて16年の私です。
これは、、、非常に耳が痛いというのが本音なんですが、かなり上手く表しているなぁという印象ですね。

もし時間があれば、
  • もっといいものを作ろうとする
  • もっと能率の良いものを作ろうとする
  • もっと完璧なものを作ろうとする
その時間全てを使おうとする

これは悪態ではなく「性質」と考えて取り組むことが必要ですね。

これは非常に重要です。後ろでは、個別完璧主義の否定、というか意味のなさを明記されています。

部分部分では完璧ではなくても、プロジェクトとしては完璧に近いといえる

ソフトウェアプログラムのリファクタリングを行って、効率的な関数を作成した。結果、プログラムソースは10k step --> 8k step に減少した。しかし、バグの量もパフォーマンスも大きく変わらない。

これははっきり言ってエンジニアのエゴだと思います。上記の通りエンジニアという人種の性質です。この性質を理解した上で、これを変えていかないといつまでたっても時間は浪費し、パフォーマンスは上がらない。。。

あぁ、、耳が痛いです。

販売目標設定にCCPM

四半期末症候群も月末症候群と同じくあり、実際に私の会社も四半期単位で売上が上がるビジネスをしています。そして、これを「そういうビジネスモデルである」という言葉を使ってしょうがないものとして取り扱っています。

本書ではこれは目標設定の問題であると捉えており、目標設定を

  • 四半期単位、達成しなければ罰する

 ↓

  • 月単位の高い目標、達成しなくても罰しない、年単位でバッファ(達成できないことで失っても良い売上の合計)

と考える。この考え方はまさにCCPMです。
例えば売上目標設定(予算編成)を考えた場合に

従来型 単位:M円

四半期 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
売上 30 35 40 45 150

CCPM型 単位:M円

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 buffer 合計
売上 14 14 14 15 15 15 17 17 17 18 18 18 42 150

(合計=1~12月の和 ー buffer)

となるわけですね。
こうすることで、四半期末症候群を回避し、毎月の高い目標のために頑張り続けることとが必要となるということです。
合わせて、達成時のインセンティブを大きくしなければならないこともあります。

機能別組織の弱さ

一連のキャッシュを生み出すプロセス=キャッシュマシーンは製造のように1部署、1工場の中でなされるわけではなく、機能別組織の中で組織を横断しています。この状況下では、組織間の連携がボトルネックになることもあることを強く示唆しています。

例えば、一連の入金までの管理が
マーケティング
→営業
→営業事務
→導入サポート
経理
と流れていく中で、個別機能で個別KPIを設定し、それを達成しようとシクハクしたところで、それはダメなんです。組織関連携のミスによるタスク漏れや、後続プロセスのボトルネックによる売上計上の遅れなどは往々にあり得ます。

これを一気通貫に把握し、とくに数字を背負う営業が、しっかり後続までバックアップする考え方が必要と提唱しています。そのためには、営業部員へのインセンティブは契約成立ではなく入金完了時であるということです。これはSCMの考え方ですね。ゴール2などをよめばSCMとのヒモ付きがわかりやすい気がします。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

ザ・ゴール2 コミック版

ザ・ゴール2 コミック版

最後に

営業マネージャの人にこの本を読んでもらって一度議論をしたいなと思っています。昨今の営業プロセスはhubspot社が本を出したように、「理系営業、論理営業」が賑わしています。僕は営業畑じゃないんで、アートではなくサイエンスとして営業を定義していくこの書籍には共感します。

みなさん、kindle化されていないので残念なのですが、ぜひご一読ください。

ザ・キャッシュマシーン

ザ・キャッシュマシーン

"会計天国 〜中略〜会社で使える会計ノウハウ"読了。エンジニアがBS読めるようになりたいと思った。

会計天国 今度こそ最後まで読める、会社で使える会計ノウハウ

ジャケ買いにっ近いですけど、このジャケットにこの中身、好きですね。そう、私の好きなビジネス小説の類になります。TOC系に比べたらだいぶんライトですけどねw

この書籍はprime readingに登録されいる書籍になってます。つまりamazon primeユーザである私は無料で読破できたということです。

本はタダで読んでも頭に入らん、金出して買って読んで初めて、

読むだけじゃなく理解するための一歩を踏み出す

と思っています。だから、本は金出してよめ。

とみんなに偉そうに言っているのにおかしな話ですはい。

ははw。。。どちらかといえば

金出すならよまない と思うような本を読んでも意味がない

という程度でしょうかw名言です。(嘘)

概要

交通事故をしたエリートコンサルタントが、現世にいいことをしたら生き返れるよという設定で
スペシャル会計コンサル知識を活かして、5人の経営者を救う

というお話でした。コンサルといえば領域が様々ですが、もっぱらコンサル、それも財務会計諸表から読み解く会社の現状と、未来予想というポイントに着岸されている感じです。

感想

まずビジネス小説としてのストーリー性、ここに関してはお粗末な印象です。深夜番組、深夜ドラマ的なノリを感じますw
死んでコンサルして生き返るというよくわからないフィクション性もそうなんですが、どちらかというとそれよりも、問題解決までがあまりに早すぎて、違和感があります。1年かけて改善するみたいなイメージの内容が1時間で、解決する(解決の糸口を見つめる、あるいは気づく)みたいなのは短絡感が否めません。

しかし!

会計知識のまるでない私からすると、BS一つでそこまで読み解くのか、(いや、読み解かれているのかと自分ごとに考える)というところに驚愕する感じです。漠然と会社のでも経理は最強だと考えていましたが、本当に最強だと感じました。「攻めの会計」感があって子気味良い感じです。

気づき

BSを読み解く

貸借対照表 BS を読み解く流れが、かなりわかりやすく書かれているのは事実です。

  • 資産と負債においても、流動資産負債の関係
  • BSはPLと違い創業からの脈々とした歴史の全て

とかは、わたしは「へえ〜」となると同時にあまりに勉強不足なんだろうなと、なんだか恥ずかしくなる次第です。

学校ではBSはバランスすることくらいしか教えてくれていなかった印象です。いや、寝てただけですねw
この書籍では、BSに関する上記を含めた多彩で実践的(というよりは、わかりやすい)に記載されています。動とつく資産と負債の持つ意味、それから、BSはこれまでの会社の蓄積(PLは年度単位)であるということから、BSの重要性も改めて理解できる印象です。

ただこれもね、BSを読まないといけないのかも?とまず私自身が思ったからこそその理解が進んだことは事実だと思います。

名言

どんな業種でも、粗利2,000万/年で10,000円/時間

そこまで言い切られたらびっくりするんですが、これくらいを目指せと記載がありました。驚きです。われわれSIerからみたら、売上じゃないの?!なんて言いたくなる始末ではあります。

生き残る組織は、過去を振り返り、より良い変化をし続ける会社

その通り。あは。TOCなどを含めた、カイゼンに着目している私には好きなキーワードです。変化を恐れて現状に固執することは万死です。

さいごに

非常にわかりやすい書籍ではあります!少しでも知識がある人には物足らないかもしれないです。

会計天国 今度こそ最後まで読める、会社で使える会計ノウハウ

会計天国 今度こそ最後まで読める、会社で使える会計ノウハウ

"何が,会社の目的を妨げるのか"読了。エリヤフゴールドラット博士のまさに金言集

エリヤフ・ゴールドラット 何が、会社の目的を妨げるのか
度々申し上げております通り、私、最近音楽の3倍くらい、エリにはまってます。え?もちろんエリヤフ・ゴールドラット博士ですよ。エリのもたらす気づきや発見は感動と驚きの連続なんです。音楽に向かう姿勢すら、これにより見直される気がします。

この本はkindle版をよみました。

概要

この書籍は誤解を恐れずいうと、エリの「ベスト」盤です。w
前半は、TOCを導くに当たってのエリの探求として、トヨタ、フォードの生産方式について記載されています。これをある意味TOCという形に「汎用化」する手続きが、フォードの時代からちゃんと説明されております。過去のハーバードビジネスレビュー等の引用です。

後半は掲題の通り、エリの金言集になっています。これまで出版した書籍からの金言の引用と、筆者による解説がなされています。

感想

いわゆるベスト盤、かき集め盤ということがあり、それをわかってなかった手前、騙された感は否めませんでした。それは新発見がない感ですね。
しかし、よくよく読んでいくと、大事なことがかなりたくさん書かれています。これはただのかき集めじゃなくまさに

ベスト盤

と呼ぶにふさわしいです。ブックマークをつけるところが多くてもはや、ブックマークとして機能しませんw

気づき

この本はたくさんの気づきを与えててくれています。どうしていこうかな。。。

TPS トヨタ生産方式

TOCの源流となるフォード、トヨタ生産方式に見る全体最適。私ももちろん理解しているつもりなんですが、トヨタ生産方式TPSは、それはそれはすごい革命であることが何度となく表されています。読み辿りつつこんな記憶が出てきたので、これって。。。と感じたことを書きます。

トヨタ生産方式下請けいじめなどと言われた?言われてる?などということを聞いたことがある気がする。カンバンに馴染めない企業が淘汰されているということなのだろうか。。。

この辺りについて触れられていないんです。どう解釈しているのか、などが書かれてたら嬉しいなと感じましたね。

TPS,TOC
SCMの上流工程が零細弱小であることを無視しているのか、、、
いや、であれば、そこをボトルネックと捉えるべきじゃないのか、、、

など、少し悶々とした部分があります。

科学はコンフリクトを許さない

会社のみんなに、こんな例題を作って話したいなと思ったわけです。

skytreeの建築において
例えば、
 発注者:
666メートルでお願いしたのに600メートルしかない!
 受注者:
いや、ちゃんと666メートルの全長があります!

となった時に
じゃぁ間をとって634メートルにしようか。などという妥協は絶対しない。だから妥協なんぞはすべきではないのだ。答えは600か666かのどちらかしかなくて、
発注者:地上高666を要求
受注者:全長 666と主張
会話、理解の前提が異なることを明らかにすることが大切

ソフトウェアのの業界では、それがソフトだからという理由なのかもしれないが、その妥協が驚くほどたくさんある。

学生症候群

皆さんご存知の通り夏休みの宿題も、納期のある仕事も、決算のための業績も、月末にしかやらないことの話です。
ここで、いくら大きな声で

宿題は前もってしろ!仕事は計画的にやれ!

と指導をしたところでなかなかそれがなされない。
これは、そのできないことを叱るのではなく

人間はそういう生き物だ

と理解することが大切で、そういう生き物がどうやって計画的に、段階的に結果を出していく仕組みを作るのかが大切、その性質を逆に活かしながら、成果を出すためのマネジメントが重要だということです。

その他

  • 優先順位は今やらないことを決めることが重要

よく聞く話なんですがなかなか実践できない。。。

  • バッファを欲しがる気持ちは人間の相手を失望させたくない気持ちの現れであると理解する

これはちょっと哲学的で、胸に刻みたい金言ですね。。。

## 総括

一通り、ゴールシリーズ書籍を読破した人が改めて読み返して非常に価値のある書籍に仕上がっています。まさにベスト盤です。ただ、前段のゴールシリーズを読まずにこれを読んでも、、、どれだけ頭に入るのかなぁという感じではありますね。

最後の総括での読破をお勧めします。

エリヤフ・ゴールドラット 何が、会社の目的を妨げるのか

エリヤフ・ゴールドラット 何が、会社の目的を妨げるのか

"ザ・ゴール コミック版" "ザ・ゴール2 コミック版" 読了。とても上手に短縮デフォルメしてる!

ザ・ゴール コミック版
ザ・ゴール2 コミック版

我が家から徒歩10分の小さな図書館(分室的な奴)においていました。なので無料で読破できました!図書館という文化、改めて凄いと感じましたねー。


TOC 制約理論を知るためにまずでてくるこれらの本

  • ザ・ゴール
  • ザ・ゴール2

です。ゴールドラット博士が世に伝えるべく書いたたくさんの書籍の中でも最も読まれている書籍たちの一つですね。累計販売は1000万部を超えるというミリオン超、およげたい焼きくん超です。

概要

the goal ,the goal2 のストーリーが日本の企業に置き換えられて、かないかなり忠実に再現されています。

ザ・ゴール コミック版

もちろん原作 ザ・ゴール と 同じです。
高性能製造ロボットを導入したにも関わらず工場の生産性、財務諸表の数値がひどい状況で、閉鎖までのリミット3ヶ月。
TOCの視点を導入することで目から鱗の改善プロセスを集中して行い、誰もの想像を圧倒的に超える改善結果を出していくサクセスストーリーです。
面白いのは、この状況下に置かれた工場長の主人公が、家庭関係においても問題を抱えているということ。この取り組みの中でここも一緒に改善していくところです。

ザ・ゴール2 コミック版

もちろん原作 ザ・ゴール2 と 同じです。
ザ・ゴールで成功した主人公は5年後にしっかり出世しており、買収した関連会社3社の面倒を見ています。企業全体での社会的評価が下がる状況でこの関連会社3社の売却が決まった。この状況下で、3社で何をどう取り組み、何を改善していくべきか、改善の視点を自社内から外にまで領域を写し、サプライチェーン全体の改革に乗り出していくお話です。
同じく、この状況下に置かれた主人公が、家庭関係において、今度は子供が思春期であるということとどう付き合っていくか、などとも交えて面白く描かれています。

感想

あくまで、ビジネス小説版の2冊

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

を読んで、さらにそれが大好きだった人間の感想ではありますがw


あのね。

忠実

そう、ちゃんと忠実に再現されています。読んでいて非常に面白い。
たまに小説見た→漫画やテレビ見た

いやぁ、なんかそういうイメージじゃなかったなぁ。。。

ってよくあると思いますが、まぁこれはないっす。漫画というスピード感のある媒体(45分で十分読破可能)でよくここまでうまく再現できたなぁと。100%を漫画化しているわけではなくてたくさん割愛もしてるんですが、学ぶべきことが要約されています。

TOC本はどれも異様に分厚い(ビジネス小説にしているからね)ので、その分厚さに抵抗感を持つ方はかなりいると思うんですが、これは45分2セットのスピード学習型で勝つ漫画で爽快で気持ちいいです。

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↑ほら、クソ分厚いでしょ?僕はほぼ全部kindleでよみましたが。

このコミックは、いやゴールシリーズは
僕らシリーズ(僕らの七日間戦争、宗田理

ぼくらの七日間戦争 (「ぼくら」シリーズ)

ぼくらの七日間戦争 (「ぼくら」シリーズ)

もびっくりするくらいの爽快感、達成感であふれています。既成概念という敵に立ち向かっていく感じは気持ちいいですね。

次のコミック化もお待ちしています!

気づき

まず今この写真をUPして

あ、全部読破した!

ことに気づきました。なんか嬉しい。達成感。間にいろんな本も読みながら7ヶ月間くらいかけてのんびりシリーズ読破しました。
同時に、もう一度読んだ方がいいな、また違う感想が得られるだろうな。


と、思っていた昨今、コミック版という形で振り返ることができて嬉しいです。
と同時に、一度goal 小説版を読んでるなら、そちらもやっぱり見直したくなる。

いやぁ、やっぱり私はゴールドラット博士の大ファンです。
ゴールドラットコンサルティング社に就職できるなら就職して見たい。
www.goldrattconsulting.com

おまけ

原作ではアメリカの企業、工場、関連会社何ですが、これを日本の会社に置き換えて(日本人に置き換えて?)ストーリーが展開されたんですが、、、何でわざわざ日本人にしたのかなぁ。と思うわけです。話の中で神奈川とかでてきたらクスっと笑ってしまうわけなんですがw

  • 原作と同じアメリカ人たちで構成したストーリーにして、
  • 日本ならではの漫画技術でしっかり本作を再現して(←まぁできてるとおもいます)
  • まず日本で発売してご機嫌を伺って
  • goalと同じく世界へ翻訳して発売すべき

だとおもいましたねー。


ザ・ゴール コミック版

ザ・ゴール コミック版

ザ・ゴール2 コミック版

ザ・ゴール2 コミック版

"ザ・ベロシティ Velocity" 読了。隠れたTOCの必読書!ゴール好き必見!

ザ・ベロシティ


TOC 制約理論 として書籍を探せば、もちろんゴールドラット博士のゴールが出てくる。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

その後数冊のゴールドラット博士著によるTOCシリーズが展開される。そこには、製造業をターゲットにしたGOALの枠を超えた、様々な制約理論が織りなす世界が展開されていて非常に読み応えがあります。

そんな中、この本は書店ではTOCシリーズに並び販売されている、現時点で最終盤のTOCじゃないかなと思われる書籍です。残念ながら著者がゴールドラット博士じゃないからか、kindle化がされておらず、クソ分厚い本を毎日カバンに入れながら過ごす若干のストレスを感じながら、読破してまいりました。

そう、ザ・ゴールに魅せられ、TOCの完全読破を狙う私は、そこに並んでいたから買ったわけでありまして、前回のプロフィットと同じです。w

aostapp.hatenablog.com

絶対面白いはずなんやと。ジャケ買いです。

概要

goalシリーズとそれと同じく、買収にあった企業の業績改善改革プロジェクトをTOCを用いて推進して行く、経営者のサクセスストーリーです。

ハイTコンポジットという特定分野のトップクラス企業のR&D〜製造部分のお話です。主に製造部分とはなっていますが、企業の業績改善を推進するツールとして LSS(リーン・シックスシグマ)があり、親会社から強要され推進するもうまくいかず。。そんな中TOCのエッセンスがこの改革を軌道に乗せ成功するという、まさに、サクセスストーリーです。

感想

本書のエッセンスはゴールドラット博士が残したAGIゴールドラットインスティテュートの面々なのですが、このビジネス小説化しているのが、goalと同じジェフコックス氏であるため、そのストーリー構成や言い回し、サスペンスにも似たワクワク感の醸成がgoalと同じで非常に読み心地が良く、超絶分厚い本でも軽快に読み進めることができます。

一度読み進めた感想としては、やはり僕はTOCの虜なので読んでて楽しかったのですが、、、

ですが

TOCとLSSの競合というか、そういう演出が非常に多くて、全体の7割くらいが、問題が勃発して大変ですーみたいな流れにあります。残りの3割でTOCくんとLSSくんが手を取り合い二人三脚(といえでもほぼTOCくんに負んぶに抱っこみたいな感じ)でゴールを駆け抜けます〜
みたいな展開です。

なのでちょっと、出木杉くんなイメージです^^;
悪者臭のするR&Dセンター長が、投獄など若干無茶な展開も無茶だと言いたいw
まぁとはいえ、TOCが提唱する、利益創出のための俯瞰的な視野を持った制約点の検出はしっかりなされておりみていて子気味良いです。

気づき

大枠、TOC2.0とか、そんなノリの新しい世界がパーンとひらけた!という感じではなく、

そうそうTOCってそんな感じですよね!

っていう流れなので、ある意味安心な感じなんですが、どちらかというとそのビジネス小説とTOCの片鱗でやはりたくさんの気づきを頂戴しました。

R&D:製造のコミュニケーション課題

下流工程にスピーディに仕事をつなげる ということに対してインセンティブが働かず、製造フェーズが逼迫されているということです。改善活動としてはそのインセンティブルールの変更により、全社最適=業績改善がもたらされます。

まさにソフトウェアの世界でもコンサル:開発企業間で日常茶飯事で起きている問題ですよこれは。コンサルのインセンティブは質の高い、期待値の高いコンサルティング結果をoutputすることに集中していますが、その実現性や工期などを考慮した後工程への引き継ぎがないことはまさに同じでしょう。コンサル案件は失敗する、コンサルは信用できない、と呼ばれる質の低いコンサル:開発はこんな感じだと思います。やっぱりこういうところはワンストップで、共通目標を持って進めないと厳しいんですかね。

全てを改善 <> 全てが改善

改善することが目的化していると「改善したがる」人が増えます。改善はもちろんしたらいいんですが、結果を見ることがとても重要だし、結果を早く出すことを意識すれば、改善は短期でパフォーマンスが高い点に絞られるべきです。TOCの考え方ですよね。

そして、改善したらパフォーマンスが上がるのかというところを見ながら行わない改善はしたつもりでもなんだったらなにもスループットに貢献しない改善かもしれないということがあるんです。
本書では、LSSのみによる改善活動の部分でそのような感じに書かれていますね。

身の回りにも改善が目的化している人、改善マニアの人。改善したいと言いながら改善もできない人。多々います。自分がそうならないように、今一度帯を締め直す次第でございますw

信頼関係とコニュニケーション

当然大事な話です。不要という人はいないです。これがしっかり醸成されないことで様々な不都合が生じます。そんな中でも表現として印象に残ったのはこちらで

自分を弁護するための長文メール

これほど無駄なものはないよねという話がありました。あぁ。。。となりましたね。最近はどちらかというとかく方というか見る方が多いんですが、、、これそうそう、無駄なんです。

一番大きな気づきというか冷や汗

劇中で出てくるR&Dセンター長や最も技術を持っているアナリストと呼ばれる人間たちがいます。彼らは、自分たちの取り組んできる崇高で知的な取り組みの数々のために、一切の工数を惜しまず進めるみたいなところがあります。

他方、製造では徹底的に無駄の排除やスループットの向上を意識した取り組みが行われます。

果たして実際の僕の仕事はどこに当てはまるのだろうか

そう考えたわけです。そしたら冷や汗ものの気づきがあって。。。
 要件定義 -> 設計 -> 開発 -> 検証 ->納品 
そういうサイクルをシステム開発のWFモデルにおいては実施します。アジャイルではその流れは違いますがインとアウトはまぁ同じといえば同じです。(WFとアジャイルの話じゃないのでその辺りは割愛)

今我々が実施している 開発 -> 検証 ->納品 という手続きはカイハツ、ではなく、生産、製造工程だなと改めて感じ、製造業としてのTOCやLSSに学ぶところは多いと感じました。

はっきり言って、
日本のシステム開発の90%以上は知的生産性の高いものではない

と根拠もなく想像します。ITは頭のいい仕事だの、カイハツとかいう耳障りの良い言葉の上で、出さなくても良いバグを出してる現場は5万とあるだろうと感じます。

ただの生産にもかかわらず、カイハツをR&D的に言葉尻だけ捉えて、崇高な作業なふりをしてあぐらをかいて改善を行わない。

しかたないもの

くらいに思っている奴がたくさんいます。大野耐一が聞いたら泣きます><

日本のシステム開発の90%以上は知的生産性の高いものではない

つまり

仕様変更が可能な受注生産や注文建築と変わらないんじゃないの?

ということです。
これは怖い話だなと思いました。。。

おまけ

印象に残ったキーワードがありましたね。。。

ひどい上司でも、合法的で倫理上問題がなければなんだってしなければならない

ひどい上司にはなりたくないもんですが、上司や経営と、従業員間の統率というのは、アメリカは

ビシッ

と線が引かれてるなぁと感じました。日本の、少なくとも僕が経験した(5つの)企業では、上司部下はあるもののこのようなマインドではないというか、ちょっと違うなぁと思いましたね。甘い会社に所属しているだけなのでしょうか。。。

MBWA (Management By Walking Around)

ウロウロ歩き回りながら状況を把握するマネージメント手法ですね。僕はこのタイプで、これを賛成する人間です。が、最近あまりできてない気がする!やばい!

ということで

TOC大好きです。一通り本家のTOC書籍はこれで網羅しました。
もう一度初めから読み直そうかと思っています。
本書と直接関係ないかもしれませんが、かなりたくさんの気づきを得ることができてこの本には感謝しています。貪欲にたくさんのことに気づいていくにはkindleじゃなくて紙の本の方が良いのかなぁとも思いましたねw

そして、こんなに色々考えてたら、メモがてらブログでも書かないと飽和しちゃいます。

ザ・ベロシティ

ザ・ベロシティ

  • 作者: ディー・ジェイコブ,スーザン・バーグランド,ジェフ・コックス,スーザン・バーグランド/ジェフ・コックス,三本木亮
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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