"生き方"読了。これを肯定的に読めるか?
説明不要の稲盛さん。稲盛和夫さんの数々の書籍の中でも、多くの方に読まれていることで有名な
生き方
です。
稲盛さんといえば、
- 稲盛イズム
- 京セラフィロソフィー
- アメーバ経営
等のキーワードが出てきます。また、関西在住の私は京セラ関連企業経験者とお話しすることも多々ありました。その中で正直よくきくのは。。。
とても個性的
宗教的
でた!稲盛
等のキーワードが聞きます。これらの言葉、正直、あまりいい印象を与えないんです。しかし、国内で120万部という異例の発行部数を誇る当書籍。何かのTV番組のジャンル別ランキングでも経営者が読む本は断トツで稲盛さんの本です。
ということで、事前情報としては賛否両論の当書籍に手を伸ばしました。
概要
この本には稲盛和夫を、そうたらしめる生き方、理念とも呼ぶべきこと、常日頃考えていることがつづられています。人間として、社会人として、経営者としてのスタンスが記されています。そしてその考え方が仏教というフィルターを通して、よりそれが具体化されています。その中で様々ケーススタディを交えてながら
- 正しくまっとうに生きること
- 全力で取り組むということ
ということが語られます。重要なことは、人は悟りを開いたり、徳を高めるために何か特別な修行などをすることが大事なのではなく、それをビジネス、経済社会のなかでも存分に体験しながら人間を高めていくと都ができるのだということがまさに体現されています。
そして、人そのものを磨き、生を受けた自分を精錬し来世につないでいく。
人生の後半に入られた稲盛さんの血肉の通ったまさに信念が言語化されています。
感想
以前下記書籍らを読んでから、私は仏教や哲学に興味を持ちました。
aostapp.hatenablog.com
それまでは経営論やリーダシップ論、接客、効率化、等々の書籍を読み漁ることが多かったんですが、この本を読んで少し変わりました。そして改めて「生き方」を読んでまた変わった気がします。
まず、これまで読んでた数々の書籍はとても素晴らしい書籍で実践的なんですが、それは「戦術論」だということに気づかされました。要は
どこに行くか
じゃなくて
どうやって行くか
な本だということです。
これを気付くとまず考えさせられるのは
どこに行く?
ということです。
個人として、子を持つ親として、たくさんの部下を持つ上司として、1社会人として、人間として。
私はどこに向かうのだろう、ということを考えなくてはならないと、強くメッセージを受けました。
その中で本書籍は人の生き方、生きる意味、それらを稲盛さんらしい言葉で自信をもって語られています。
気づき
人格=先天性.性格+後天性.哲学
上手いこと言うなぁというところが一つ。そして、哲学は学び高めていくものだということを改めて実感。
そして、それが人間形成において非常に重要であることが終始語られています。昨今の哲学、道徳などの教育の希薄化も懸念される記載がありましたね。
働くことを必要悪だと捉える風潮
欧米、特に欧州圏の成熟した文化圏と我が国を比較し、勤務時間のみにフォーカスを当てて、長時間労働の改善の流れからおっしゃる通り働くことが必要悪。
つい数年前まで、わしもそのように考えていました。オンとオフをしっかり割り切って、プライベートな時間の充実を図るとか。本書はそこに異を唱えています。
これが本ブログの掲題「肯定的に読めるか」と皆さんに問いかけたい次第です。
著者は働くことを通じて、人格形成、人を高めていくということを明言されています。働くことはお金の為、生活の為の必要悪ではないということです。この根源は、「利他の心」があります。世のため人の為というところを、働くことを通じて実現していく。
ここに私は非常に共感します。過度に労働時間や賃金のみにフォーカスをあてた浅い考え方の世間には非常に違和感を感じます。心身の健康は第一にする必要がありますが、利他の為の飽くなき探求、はたから見たら心配されるくらいの努力は、それを乗り越えてその人の人間性に必ず良い結果をもたらします。
後半では以下のような記述もありました。いやぁ上手く表現されるなぁと思いますね。。。
現代は、仕事とは時間を提供して報酬を得る手段
つまり、楽して大きなお金を、時給を上げることにインセンティブが働いてしまう
このような趣旨の言葉も話されていましたね。
熱狂なくして目標達成なし
楽観構想、悲観計画、楽観実行
これは有名な言葉ですね、いろんな人から聞くんですが稲盛さんの言葉だったことをしりました^^
情熱
仕事に情熱的で燃えていろ
正義たれ!
目の前の仕事にイタリアンたれ!
最後の言葉は僕のタダのゴロ遊びですすみません。。。
でも仕事に対して情熱的で興奮気味で、いるということは大事なんだと思います。
リーズナブル
まず言葉のお勉強をさせていただきました。
日本人の間違った理解として、
リーズナブル= お手頃、安い
という半ば常識的にもなったこの言葉の理解。
しかし見たらわかりますが
- reason : 理由、道理、考える
- able:できる
となると
- reasonable:理解できる、納得できる
となるのが当たり前です。
私が怖いなと思ったのが日本人は
- reasonable:理解できる、納得できる
と
- リーズナブル:お手頃、安い
が同義ととらえてしまう。安いことが良いこと、納得できること。である。
あぁ、怖い!
こわくないですか?こんな考え方でいたら、いつまでたっても成熟した文化圏に移っていくことは困難です。残業時間を抑制してもブラック企業が増えるだけです。イライラ・・
あぁ、少し飛躍したカモですごめんなさい。。。
アメリカでは、物事の判断はリーズナブルかどうか、正当かどうか。これを人の目を気にせず自らの原理原則価値観(自己の美意識※)で判断するそうです。その分スピーディで、相対的なのかもしれません。
それはでもそうたらしめる理由もあって、
- 日本は法律が成文法
- アメリカは法律が判例法
というところがあるみたいですね、少しここは探ってみたいところですね。
仏教観
筆者は65歳にて仏門をたたき、托鉢を経験され、大和という法明を取られているとのことでした。このことからも彼の宗教観が後半は色濃く出ており、このような稀代の名経営者も、自己に奢ることなく謙虚に生きていることをその経験からも改めて痛感します。日本人に根付く仏教間みたいなものがあるとは私も思いますので、概ね、非常に共感でき、勉強にもなりました。托鉢等はこれから見方が変わりましたね。
托鉢 - Wikipedia
ただ、そのようなところもあってか、書籍の後半は著者の宗教観が強く描写されます。非常に、宗教、仏教、哲学色の強い描写。
しかし、少々なんといいますか、、、
酔う
部分がありますね。エヴァンゲリオンみたいな。。。w
おまけ
※美意識
aostapp.hatenablog.com
こちらの書籍では美意識ということが語られているんですが、まぁ要はその美意識は当書籍の生き方の部分とつながる気もします。vision 理念的なところですね。
p.s.
このブログを書いてて初めて以下を知りました。。。
- × 稲森
- 〇 稲盛
人の名前間違えるのって失礼だよね、申し訳ありません。
- 作者: 稲盛和夫
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