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皆さんは、仕事でボツになった古い企画書が、数十年後に形を変えて大ヒットする……なんて光景を想像したことはありますか?
実は、エフェクターの世界でまさにそんな「歴史の落とし物」が、ちょうど半世紀の時を経て現代に奇跡の復活を遂げようとしています。
今回取り上げるのは、Electro-Harmonix(EHX)の新作「Big Muff Pi 2」。
これ、ただのラインナップ追加じゃないんです。1970年代の終わりに設計されながら、製品化されずに眠っていた「幻の回路図」がベースになっている。そのストーリーを知っただけで、機材好きとしての期待値がマキシマムまで跳ね上がりました。
国内販売価格も21,560円(税込)前後と発表され、がぜん現実味を帯びてきたこのモデル。公開されたスペックと背景から、この「歪みの怪物」の正体を紐解いてみましょう。
50年の眠りから覚めた「幻」の正体
このペダルの誕生秘話は、ガジェット好きの心を激しく揺さぶります。
EHXの創設者マイク・マシューズと、回路設計の天才ボブ・マイヤー。この二人が1970年代後半に作り上げたものの、当時は日の目を見なかった手書きの回路図があったんです。
それを発掘したのが、JHS Pedalsのジョシュ・スコット氏。
「ジョシュが見つけて、EHXが形にする」
この文脈、IT業界で例えるなら、初期のAppleでボツになった革新的なプロトタイプを現代のエンジニアが発掘し、最新のデバイスに実装したようなワクワク感。歴史の重みが違います。
従来のビッグマフと何が違うのか?(スペック分析)
「また新しいマフ?」と思われるかもしれませんが、中身は別物です。 通常のビッグマフがトランジスタ駆動なのに対し、この「Pi 2」は「2基のデュアル・オペアンプ」を採用しています。
しかも、有名な「Op-Amp Big Muff」よりもゲインステージが1段階多い4段階構成。ここから推測されるのは、従来のモデルを凌駕する圧倒的な「壁」のような密度の高い歪みです。
graph LR
A[Big Muff Pi 2<br>の構成分析] --> B[サウンド面]
A --> C[機能面]
B --> B1[4段階の<br>ゲインステージ<br>による厚み]
B --> B2[オペアンプ<br>特有の<br>地鳴り感]
B3[ベースや<br>シンセにも<br>耐えうる低域]
B --> B3
C --> C1[静音フットスイッチ]
C --> C2[ラッチ<br>モーメンタリー<br>切替]
C3[ボードに優しい<br>Nanoサイズ]
C --> C3
3秒でわかる「Pi 2」の注目ポイント
圧倒的な壁、ゆえの孤立。この爆音を御せるか?
スペックから読み解く限り、この「Pi 2」は単なる優等生ではありません。むしろ「制御不能なモンスター」になる可能性を秘めています。
一段多いゲインステージは、ギタリスト一人で鳴らす分には快感でしょう。しかし、バンドアンサンブルにおいては、ベースやドラムの音域をすべて食い潰してしまう「諸刃の剣」になる懸念があります。
ITマネジメントでも、個々のスペックが高すぎるメンバーがチームの調和を乱すことがありますが、このペダルも同様。圧倒的な個性をどう制御(マネジメント)するかが、プレイヤーの腕の見せ所になりそうです。
プレイヤー目線で「ついに載ったか!」と膝を打つ新機能
とはいえ、設計は極めてプレイヤーファーストです。静音フットスイッチの採用により、ラッチとモーメンタリーを切り替えられる点は、ステージでの表現力を広げる大きな武器になります。
- ラッチ: 普通に踏んでON/OFF。
- モーメンタリー: 踏んでいる間だけON。
「曲のキメで、一瞬だけ爆音の壁を作りたい」という時、従来の物理スイッチのようなタイムラグや切替音に悩まされることなく、スマートに解決してくれるはずです。
この「50年越しの答え」は誰に刺さる?
回路図からどんな音が飛び出すのか妄想を膨らませてみましたが、以下のような方にはマッチするでしょう。
- 「壁」のような歪みを求める人 既存のICマフよりもさらに重厚な、シューゲイザー的なサウンドを狙う方。
- JHSジョシュの審美眼を信じる人 彼の発掘した回路なら、そこに「語るべき理由」があるはずだと確信できるロマン派。
- 新しいエフェクターに疲れた大人たち 「枯れた技術の水平思考」が生んだ、歴史の重みを感じる本物に投資したい方。
まとめ:歴史を所有するということ
「幻の回路」が現代の技術で、しかも手に取りやすい形でデリバリーされる。これこそが、長い歴史を持つブランドの醍醐味だと思いませんか?
もし私が手に入れたら、あえてギターではなくシンセサイザーに繋いでみたい。ベトナム出張の合間にふらっと寄るような、出力の大きいアンプがある現地のスタジオで、この地鳴りのような低域を試してみたい……そんな使い道を考えるだけで、時間が溶けていきます。
かつて捨てられそうになったアイデアが、50年という時を経て、今私たちの足元に置かれようとしている。
皆さんのボードに、この「50年越しの爆音」を組み込む余白はありますか?
