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デスクにハチロクを走らせる。 そのロマンは痛いほど分かります。でも、私はこのマウスを買いません。
いきなりなんなんだ。。。
それは「無線マウス トヨタ AE86(頭文字D 藤原とうふ店仕様)」。
IT業界でマネジメント業務に追われ、右手に「ロジクール M575」というトラックボールの傑作を馴染ませている46歳の私からすれば、このハチロクは正直、仕事の「敵」でしかないからです。
でも、ページを閉じる前に少しだけ聞いてください。 かつて1960年代のビンテージカーを維持し、不便ささえも愛でていた一人の車好きとして、このプロダクトに込められた「狂気」だけは、どうしても無視できなかったんです。
1. 「実用性」という名の壁
普段、親指一つでカーソルを操るM575を使っている人間からすると、マウス本体を動かすこと自体が、もはや懐かしい儀式のように感じます。 ましてや、このハチロク。 ドラムを25年以上続けていて、指先の反発にうるさい私の目から見れば、その操作性は推して知るべしです。
エルゴノミクス(人間工学)の塊であるトラックボールとは正反対。 角張ったリア、低いボンネット。 1時間もExcelを叩けば、指の筋肉が悲鳴を上げるかもしれません。 1200dpiという解像度も、広大なモニターを駆け回るには、少しばかりローギアすぎます。
「効率」というモノサシで測るなら、このマウスのスコアは限りなくゼロに近い。
2. それでも「刺さる人」には、これが正解だという事実
ただ、もし私が「仕事の効率」をすべて投げ打ってでも、デスクに「自分の居場所」を作りたいと願う人間だったら。 この7,700円は、驚くほど安上がりな「心のバックヤード」に変わります。
トヨタ自動車と講談社の公認ライセンスという重み。 電源を入れた瞬間、デスクに灯るリトラクタブルヘッドライト。 この光景を眺めながらコーヒーを飲む。その一瞬の静寂のためだけに、この不器用なハチロクを右手に握る大人がいてもいい。
最新のBluetooth 5.1対応という「中身のアップデート」も心憎い。 ポートの少ないThinkPadでも、スマートにこの「ロマン」を繋げられるという、自分への言い訳は十分に用意されています。
3. 「不便」を楽しむという、大人の贅沢
11歳と7歳の息子たちがこれを見つけたら、目を輝かせて「パパ、これカッコいい!」と叫ぶでしょう。 でも、これは子供の玩具じゃない。 かつてスポーツカーに憧れ、今は家族のためにミニバンを走らせている父親が、仕事という名の長い「峠」を越えるために必要な、一種の精神安定剤のようなもの。
実際、トラックボール派の私がこれを使ったら、あまりの操作感の違いに悶絶するでしょう。 でも、「使いにくいな、こいつ」と苦笑いしながらハチロクを走らせる。 その矛盾した時間を楽しめる余裕こそが、今の私たちに足りないものかもしれません。
私は、愛用のM575で最速の業務遂行を選びます。 でも、もしあなたが「効率なんてクソ食らえだ、俺はデスクにハチロクが欲しいんだ」と叫ぶ情熱をお持ちなら。
この不器用な相棒は、あなたのデスクに、数字だけでは語れない「何か」を運んできてくれるはずです。

