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Ibanez Tube Screamer TS808 vs TS808HWV2:伝説と進化。音の純度と実用性の究極比較

かつて熱中した音楽を再び楽しむ。良いサウンドを追い求めると、必ず立ち返る場所があります。それが、オーバードライブ・ペダルの金字塔、Ibanez Tube Screamer(チューブスクリーマー)、通称「TS」です。

IBANEZ TS808 TUBE SCREAMER オーバードライブ ギターエフェクター

私自身、長年IT業界でシステムの「本質」と「効率」を追求し、ドラマーとして「グルーヴの核」を探求してきました。その視点から見ても、ミッドレンジをブーストするという極めてシンプルかつ効率的な機能でトーンの「核」を作るTS808は、単なるエフェクターではなく、ギタリストにとっての「スタンダード」であり、「哲学」とも言えます。

今回、定番のTS808(現行復刻)と、音の純度を極限まで高め、大幅に進化を遂げたTS808HWV2(ハンドワイヤード・バージョン2)を徹底比較します。

Ibanez Tubescreamer Overdrive Hand-Wired TS808HWV2

あなたのボードにふさわしい「本物のTSサウンド」はどちらでしょうか?

なぜTS808は「伝説」なのか?その歴史と魅力

TS808は1979年に誕生しました。そのサウンドは、ミッドレンジ(中音域)をブーストする独自の回路設計にあります。この特徴が、スティーヴィー・レイ・ヴォーンSRVをはじめとする多くのレジェンドたちに愛され、彼らの突き抜けるトーンの核となりました。

アメカジで言うところのヴィンテージ・デニムと同じで、TS808は時代を超えて愛される「完成された本質」を持っています。この核となる回路は、現行の復刻版にも脈々と受け継がれています。

TSサウンドの核はオペアンプにあり

TSサウンドの心臓部と言えるのが、特定のオペアンプです。

現行のTS808復刻モデルは、オリジナルでも知られる「JRC4558D」を採用し、この価格で伝説のサウンドを再現しています。

ただし、今回比較するTS808HWV2は、ヴィンテージライクなサウンドをさらに追求し、高品質なJRC NJM4558」を採用することで、回路全体を最適化。音の純度とヴィンテージ感を高次元で両立させています。

TS808 vs TS808HWV2 徹底比較!V2の進化を分析

IBANEZ TS808 TUBE SCREAMER オーバードライブ ギターエフェクター

TS808と、そのプレミアムな正統進化モデルTS808HWV2は、どちらもTSサウンドの魅力を持ちながら、追求する品質が異なります。特にTS808HWV2の進化は、プロの実用性を見据えたものです。

特徴 TS808 (現行復刻) TS808HWV2 (ハンドワイヤード V2)
配線方式 プリント基板(PCB) ハンドワイヤード(手作業配線)
オペアンプ JRC4558D JRC NJM4558
バイパス方式 バッファード・バイパス トゥルー・バイパス (True Bypass)
採用ケーブル 標準的な配線材 MOGAMI OFCケーブル
最大出力レベル 標準的な出力 +6dBブースト回路追加
駆動電圧 9V駆動のみ 9V/18V駆動に対応
価格帯 (目安) 比較的安価 高価格帯(プレミアム)

1. V2独自の決定的な進化:+6dBブーストと18V駆動

Ibanez Tubescreamer Overdrive Hand-Wired TS808HWV2

TS808HWV2は、単なるハンドワイヤード化に留まらず、回路の最終段に+6dBのブースト機能が追加されました。

これは、特にアンプのクリーンチャンネルをプッシュする際、旧モデルのHWよりもさらに広いヘッドルームと、音の埋もれない圧倒的な存在感を獲得するための設計です。

また、9Vに加え18V駆動にも対応しており、電圧を上げることで、よりレンジの広い、ハリのあるサウンドが得られます。これは、「音の純度を極限まで追求する」というV2の哲学を象徴する、大人のこだわりに応えるアップデートです。

2. 配線方式とパーツの違い:「標準化」と「最適化」

ITのマネジメント視点で見ると、これは「標準化」されたシステムと、「最適化」されたカスタムビルドの違いに似ています。

  • TS808(PCB): プリント基板による配線は、大量生産と安定供給には最適。安定した「標準」を提供します。
  • TS808HWV2(ハンドワイヤード): 部品同士を熟練の職人が手作業で配線。さらに内部配線には、音響機器の世界で信頼性の高いMOGAMI OFCケーブルを採用し、信号の劣化を最小限に抑えています。これは、音響機材へのこだわりを持つドラマーとしても納得の音の「最適化」です。

3. バイパス方式の違い:ギタリストを悩ませる「音痩せ」問題

TS808HWV2はトゥルー・バイパスを採用。エフェクトOFF時、信号が完全に回路をバイパスするため、音の劣化は原理的にゼロです。

ボード全体で音の純度を保ちたいプレイヤーには非常に重要です。TSサウンドは好きだけど、ボードに組み込んだときのバイパス音が気になるという悩みを、HWV2は一気に解決してくれます。

AO.の結論:究極の選択をあなたへ

TS808とTS808HWV2は、どちらも素晴らしいペダルですが、価格帯と機能性で明確に分かれます。

おすすめのタイプ 選択すべきモデル
【王道を求める人】
初めてTS808の音を試したい、費用を抑えたい(相場:約1.5万〜2万円)。歴史的なTS808サウンドの核を手軽に体験したい。
Ibanez TS808 (現行復刻)
この価格でこのサウンドコスパ最強の王道です。
【音の純度を極める人】
音痩せを避けたい、ブティック・ペダル並みの高品位なサウンドを求める(相場:約4万〜5万円)、機材に妥協したくない。V2の最新機能を最大限に活かしたい。
Ibanez TS808HWV2 (ハンドワイヤード V2)
まさにプレミアム。大人のこだわりとプロの実用性に応える一本です。

※上記価格帯は記事執筆時点での筆者独自調査に基づく目安であり、実際の販売価格は変動します。購入時には必ず最新の価格をご確認ください。

ヴィンテージカー(昔乗っていたVW Type2やローバーミニ)を愛でるように、音楽機材もその歴史と構造に愛着を感じます。TS808は、そんな大人のこだわりを満たしてくれる名機です。

ご自身のギター、アンプ、そして予算と照らし合わせ、最高のチューブスクリーマーライフを始めましょう!

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