海外出張が多い私は、先日もベトナムのホーチミンとハノイを飛び回ってきました。ベトナムと言うと、美味しいフォーや美しいアオザイ、活気あふれるバイクの群れを思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、街はエネルギーに満ちていて、いつも刺激をもらいます。
でも、IT企業のマネージャーとして現地の企業とやり取りをする中で、いつも感じていたことがありました。 「観光ガイドや、少し話しただけではわからない、この国の本当の姿があるな」と。
表面的な景色だけでなく、彼らの思考の背景にある歴史や、社会の仕組み、そして何より人々の価値観を深く知りたい。そう思って色々な本を読んでいた中で、ついに「これだ!」という一冊に出会いました。
それが、『日本人の知らないベトナムの真実 扶桑社新書』です。
なぜ、ベトナムの人に聞いても「真実」は語られないのか?
この本を手に取った理由は、著者の川島博之氏が「ベトナム人がベトナム人に対して語らない真実を日本人は知るべきだ」と書かれている点に強く惹かれたからです。
実は、海外でビジネスをしていると、現地の同僚や取引先と深い話をするのは意外と難しいものです。特に歴史や政治、宗教といったデリケートな話題は、相手も気を遣ってなかなか本音を語ってくれません。
これは決して悪意があるわけではなく、その国の社会や歴史がそうさせていることが多々あります。この本は、農業経済学が専門の著者による客観的な視点から、統計や歴史的背景を丁寧に紐解いてくれます。まるで、複雑な機材の配線図を読み解くように、ベトナムという国の社会構造がクリアに見えてくるんです。
まさに、観光やビジネスの「表舞台」だけでなく、その裏側で流れる「リズム」や「グルーヴ」を理解するための必読書だと感じました。
この本で得られる「ベトナムのリアリティ」
この本は、単なる歴史書や経済解説書ではありません。ベトナムで生活し、現地の人と深く関わる上で、必ず役に立つ「本質」が詰まっています。
私が特に「これは刺さった!」と感じたポイントをいくつかご紹介します。
- なぜ「貧困」が消えないのか?: 貧困層の生活や思考、その根底にある歴史的な背景を学びました。これは「かわいそう」といった感情的な視点ではなく、課題解決というビジネスの視点を持つ私には大きな気づきでした。
- 「米の国」の意外な真実: ベトナムは世界的な米の輸出国ですが、その裏で抱える問題が克明に描かれています。食糧事情の背景を知ることは、現地の食文化への理解も深まります。
- ビジネスの未来: IT分野でも近年注目を集めるベトナムですが、この本は未来の姿を予測する上で重要なヒントを与えてくれます。現地の社会情勢や人々の価値観から、その国のポテンシャルを読み解くことが可能です。
正直、これまで「こういうものだろう」と漠然と理解していた事柄が、実は全く違った背景を持っていたことに驚かされました。
特に、仕事で関わるベトナム人の若者が、なぜああいう考え方をするのか、なぜ彼らが家族を大切にするのかなど、人間関係の根底にある文化的な理由がよく分かりました。
どんな人にこの本を読んでほしいか
この本は、以下のような方々に特におすすめしたいです。
- ベトナムへの出張や赴任を控えているビジネスパーソン
- ベトナム旅行を計画中で、ガイドブックには載っていない深い情報を求めている方
- アジアの新興国における社会や経済に興味がある方
- ベトナム人の友人や知人、取引先と、もっと深い関係を築きたい方
この本は、いわばベトナムを解像度高く理解するための「音源」のようなものです。この音源を知っているか知らないかで、現地の人々との交流の「音色」も変わってくると感じています。
まとめ
『日本人の知らないベトナムの真実』は、観光では決して見ることのできない、ベトナムの真の姿を教えてくれる一冊です。
この本を読んだ後、私は次にベトナムを訪れた際、街の喧騒や人々の表情が、以前とは全く違って見えるだろうと確信しました。表面的な風景だけでなく、その奥に潜む物語を読み解くことができるようになったからです。
旅やビジネスをより豊かにする、この「真実」をぜひ体験してみてください。
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