令和の子どもたちに「お笑いの原点」が響く瞬間
「パパ、志村!うしろ!って、なんでわからないの!?」
先日のこと。わが家の10歳と6歳の息子たちが、テレビで流れていた「8時だよ!全員集合」の特番を見て、腹を抱えて大笑いしていました。子どもたちの純粋な笑い声は、私にとって何よりの癒やしです。
私が子どもの頃、土曜の夜に感じたあの熱狂を、時を超えて息子たちと共有できた感動。私は日本の喜劇文化の鳥肌が立つほどの凄みを感じずにはいられませんでした。
私は1980年生まれで、ドリフの最終盤の熱狂をかろうじて知る世代です。複雑な現代社会で、私たちは日々、仕事や人間関係の「ロジック」を求められます。しかし、IT業界でマネジメントを担う私から見ても、ザ・ドリフターズが作り上げた「笑いの設計図」は、その究極の単純化、つまり普遍性を示している気がしてなりません。
彼らの笑いは、「予測可能なドタバタからの、予期せぬオチ」という緻密な構造の上に成り立つ、最高のエンターテイメントなのです。
笑いの普遍性と「ビート」の秘密:ルーツは本格派バンドマン
なぜ、半世紀近く前のコントが、今の小さな子どもたちにも響くのでしょうか。それは、ドリフの笑いが持つ「安全性」と、その根底にある「音楽的なロジック」にあると私は確信しています。
彼らは単なるコメディアン集団ではありません。1956年に結成されたロカビリーバンドの流れを汲む、元々は高度な演奏技術を持つジャズ・コント・バンドがルーツです。彼らのDNAは、本格派のミュージシャン集団なのです。
伝説のロックバンドと同じステージに立った異端
彼らが単なるコメディアン集団ではない、プロ中のプロであることを示す象徴的な出来事があります。それが1966年。彼らのルーツである音楽の舞台で、彼らはある伝説と対峙します。
あのザ・ビートルズが日本武道館で公演を行った際、ザ・ドリフターズは前座として、その歴史的なステージに立っています。当時の前座には、本格的なロックや歌謡界のスターが並びました。その中にあって、ドリフターズはコミックバンドとして極めて異色な存在でした。
- いかりや長介さん(ベース):バンドの屋台骨であるベースと同じく、厳格なリーダーシップで笑いのリズムをコントロール。
- 加藤茶さん(ドラム):卓越したリズム感でコントの「ドタバタ」と「予期せぬブレイク(オチ)」を絶妙なテンポで演出。
20年以上ドラムを趣味で叩き続けてきた私から見れば、彼らのコントの根底には、音楽の「間(ま)」と「リズム」が流れています。「志村!うしろ!」のコントで見えないふりをする「間」や、長屋コントでの会話のテンポ感も、すべては音楽的な訓練によって培われた、「笑いのビート」なのです。
コントで使用するBGMには、ファンクやソウルのベースラインを引用した粋な「お笑いBGM」が多用されていました。これも彼が音楽家としての素養(特にリズムと間)を深く持っていたからこその、緻密なこだわりでしょう。彼の卓越したリズム感は、プロのバンド集団に長年身を置いてきた経験**が大きく影響していると個人的には感じます。
時代を超えて響くビンテージの輝き
彼らの笑いは、この時代を超越した音楽的な「ビート」があるからこそ、令和の時代にも色褪せないビンテージの輝きを放っているのです。
古いものには、現代のテクノロジーでは再現できない「時代が作り上げた味わい」があり、それこそが家族の会話を豊かにすると感じています。
あの「全員集合」のステージの大掛かりな仕掛けとドタバタは、IT技術が発達した現代ではむしろ新鮮で、アナログな創意工夫が詰まった最高の「笑いのビンテージ・ガジェット」と言えます。
週末の団欒で再確認する「公開収録の熱狂」
私自身、家族で過ごす週末の団欒で、この「笑いの設計図」を共有することがあります。
たとえば、キャンプに行った夜などに、あえて最新の動画ではなく、プロジェクターの大画面にコントを映し出すと、子どもたちは夢中になって笑い出します。満天の星の下で、家族全員が声を出して笑っている。世代を超えて楽しめる最高のコンテンツであると、そのたびに再確認するのです。
晩年に輝いた「レジェンド」たちの肖像
「全員集合」という番組は1985年に幕を閉じましたが、ザ・ドリフターズのメンバーは、その後も日本の芸能界をけん引するレジェンドとして、それぞれの道を究めました。
いかりや長介さん:俳優としての境地
厳格なリーダーとして知られたいかりや長介さんは、晩年、あの厳格さの裏にあった「人間的な深み」を俳優として開花させました。コントのリーダーが、真の「名優」として認められる姿は、私たちに深い感動を与えてくれました。
志村けんさん:喜劇王の継承
志村けんさんは、「コント」一直線で取り組まれ、「日本の喜劇王」の称号を確固たるものにしました。彼の作り上げたキャラクターには、単なる笑いを超えた、ペーソス(哀愁)と人間味がありました。これは、彼の強いこだわりと緻密な舞台構成力が生み出した、究極の「一人エンターテイメント」だったと言えるでしょう。
今すぐ「笑いの設計図」に触れる方法
この普遍的な笑いを家族や友人と共有するためのハードルは、現代では非常に低くなっています。
往年の名作コントを収録したDVDボックスは、彼らの緻密なステージ構成を繰り返し楽しむための最高の教材です。また、過去の特番や厳選されたコントは、主要な動画配信サービス(VOD)でも視聴可能です。ご自身のお気に入りのサービスをチェックしてみるのが、最も手軽に「笑いの設計図」に触れる第一歩となるでしょう。
ザ・ドリフターズが残した「笑いのDNA」は、彼らが体現したように、形を変えながら、私たちの文化の中で生き続けていくことでしょう。
「ダメだこりゃ!」と後悔する前に、ぜひ一度、この普遍的な「笑いの設計図」に触れてみてください。
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