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神がかった物欲衝動と趣味のまま長年継続している音楽活動に関する気ままなブログ。と、ビジネス中心度読書感想文。音楽中心かもしれないし、突き動かす物欲衝動で様々なものをレビューとかしてみようと思います。

バックロードホーンはなぜヤバい?自作スピーカーがもたらす「超自然」な音の正体

はじめに

自宅の書斎で、お気に入りのジャズレコードを聴いていた時のこと。 友人が自作したスピーカーから流れてくる音に、僕は完全に心を奪われてしまいました。 ボーカルの息遣い、ウッドベースの弦が震える音、ドラムのシンバルが響く空気感...。

まるで、その場で演奏されているかのような、とてつもないリアリティ。 市販のスピーカーが奏でる、作りこまれた「聴きやすい音」とは全く違う、 まるでエフェクターを通していない「True Bypass」の音を聴いたような、そんな衝撃だったんです。

この「超自然」な音の正体は、スピーカーのエンクロージャー(箱)にありました。 その友人が作ったのは、スピーカーマニア垂涎の的、「バックロードホーン型」と呼ばれるスピーカーだったのです。

トールボーイ型バックロードホーンエンクロージャーキットTBW-800P(2本)

バックロードホーンとは何か?

スピーカーユニットは、振動板を前後に動かすことで音を出します。僕たちの耳に届くのは振動板の前面から出る音ですが、実は後面からも同じ音が逆位相で出ています。 一般的なスピーカーは、この後面の音を箱の内部で吸収したり、特定の周波数帯だけを増幅させて利用します。 しかし、バックロードホーン型は少し違います。

バックロードホーンは、スピーカーユニットの後ろに、まるで管楽器のような長い「音の通り道(ホーン)」を設けることで、後面の音を効率よく増幅します。 このホーンは、スピーカーの振動板を前方だけでなく、後方からも強力に「ロード(負荷)」することで、スピーカーユニットが軽快に動き、非常にレスポンスの良い音を出すことができます。 その結果、まるで生きているかのような、生々しい「超自然」な音像が立ち上がるのです。

バックロードホーンとバスレフ型の違いを徹底比較

世の中のスピーカーの多くは「バスレフ型」という方式を採用しています。 ここで、一般的なバスレフ型と、マニアックなバックロードホーン型の特徴を比較してみましょう。

項目 バスレフ型スピーカー バックロードホーン型スピーカー
構造 スピーカーユニットと、低音を増強するための「ポート」と呼ばれる穴を持つシンプルな構造。 内部に非常に複雑な、折り畳まれた長いホーン(音道)を持つ。
低音再生の仕組み ポート内の空気の「ヘルムホルツ共鳴」を利用して特定の周波数帯の低音を増強する。 後面の音を長いホーンで増幅し、効率よく低音を再生。
音の特徴 量感があり、迫力のある低音が出やすい。反面、低音に「ポートの音」が加わるため、やや人工的な響きになることも。 力強く、乾いたタイトな低音。レスポンスが良く、音の立ち上がりが速い。音場表現に優れる。
能率 比較的低い。アンプのパワーが必要になる場合も。 非常に高い。小出力のアンプでも十分な音量が得られる。真空管アンプとの相性が良い。
自作難易度 比較的容易。箱とポートの設計計算もシンプル。 非常に高い。複雑な内部構造を正確に組み立てる技術と根気が必要。
市場性 多くのメーカーが採用しており、市販品のラインナップが豊富。 構造が複雑で大型化するため、メーカー製の製品は希少。自作の世界が主流。

自作バックロードホーンがもたらす感動

この比較表を見ていただければわかるように、バックロードホーンは決して万能なスピーカーではありません。 しかし、その手間と苦労を乗り越えた先に待っている音は、市販の量産品では決して味わえない特別なものです。

僕もいつかは、自分の手でバックロードホーンを作ってみたいと思っています。 特に、Fostexのフルレンジユニットと組み合わせて、音楽の空気感まで再現できるようなスピーカーを作れたら最高ですね。 初めて音が出た瞬間の感動は、きっと何物にも代えがたいものがあるでしょう。 この感覚は、ITプロジェクトをゼロから立ち上げ、リリースにこぎつけた時の達成感に近いものがあるのかもしれません。

もし、この記事を読んでバックロードホーンの世界に興味を持ったなら、ぜひ一度、キットから自作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 組み立て済みの製品はほとんどありませんが、カット済みの木材がセットになったキットなら、初めての方でも挑戦しやすいはずです。 その先に待っているのは、きっと、音源の良さをストレートに伝える「True Bypass」な音。

FOSTEX バックロードホーン型 スピーカーボックス P1000-BH(1個)

一度その音を聴いたら、もう後戻りはできません。 「音を聴く」から「音を体験する」へ。 きっと、あなたのオーディオライフは劇的に変わるはずです。

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