親から子へ受け継がれる道具と、今僕が狙っている「新しい相棒」
僕のキャンプ人生は、父が使っていた道具から始まった。30年以上も前の、無骨で頑丈なステンレスケトル。底面は焚き火の煤で黒光りし、取っ手は幾度となく熱にさらされて変色している。
このケトルには、父と僕の思い出が染みついている。少々のことではびくともしないタフさは、まるで父の教えのようだ。でも正直なところ、このケトルは家族4人で使うには丁度いいが、一人でちょっとお湯を沸かすには少し大きい。それに焚き火で使うと、どうしても灰が注ぎ口に入ってしまう。
そんな「もうちょっとこうだったら」という不満を、このケトルならきっと解決してくれるだろうと期待している。
テンマクデザインのステンレスケトルだ。
テンマクデザイン、その哲学は「キャンパーファースト」
「テンマク」という名前、なんだかユニークに聞こえないだろうか?実はこれ、日本のキャンプ文化を牽引してきた「WILD-1」が立ち上げたオリジナルブランドだ。
創業者の言葉に「世の中のモノは、世の中の人々の不満から生まれた」というものがある。テンマクデザインの製品は、まさにこの思想を体現している。既存の製品に満足できなかったり、「こんなものがあればいいのに」というキャンパーたちの生の声を集め、本当に必要なものを形にする。
僕の仕事も、クライアントの抱える課題や不満をヒアリングすることから始まる。ITシステムをただ作るのではなく、ユーザーの使い勝手を徹底的に追求し、小さな不便を一つ一つ解消していく。分野は違えど、この「ユーザーファースト」なモノづくりの姿勢は、僕の仕事とテンマクデザインの哲学が重なる部分だ。
このケトルにある、注ぎ口に付いた小さな蓋もそうだ。焚き火の燃えカスや灰が入りにくいようにという、細やかな配慮。これは、実際に焚き火で調理をするキャンパーでなければ思いつかない、まさに「かゆいところに手が届く」機能だ。
このハンドルの造形は、まるで美術品だ
そして、個人的に一番「たまらない」と感じたのが、注ぐ際に握るワイヤーハンドルの造形だ。
一見すると、なんてことのないワイヤーのようだが、この絶妙な複数ワイヤーのカーブと太さが、握った瞬間に手に馴染む。まるで、何度も試作を重ねて生み出された美術品かのようだ。しっかりしていて握りやすい、中空であり持ち手係に暑くなっても効率的に熱を逃がすのかもしれない。ドリップコーヒーを淹れるとき、僅かな角度や水量の調整が必要になるが、このハンドルなら必要な太さがあり、力を入れることができて繊細なコントロールができそうだ。ITの仕事で、システムの操作性を突き詰めるのと同じで、道具の「握りやすさ」や「使い心地」は、僕にとって何より重要なんだ。
このケトルの無駄のない造形は、使うたびに僕を惹きつけるに違いない。
僕だけの「味」を育てるケトルを迎え入れたい
容量は適正1.0L。ファミリーキャンプではコーヒー用のサブケトルとして、ソロやデュオではメインとして大活躍するだろう。
焚き火の熱で底面に少しずつ煤がつき、色が変わっていく。それは、ピカピカの道具では味わえない、育てる喜びだ。もしこのケトルを迎え入れたら、やがて父のケトルのように、僕だけの思い出が刻まれていくに違いない。
新しいケトルを迎え入れたら、父のケトルは大事なオブジェとして飾っておき、このテンマクデザインのケトルを、僕の新しいキャンプの相棒として、焚き火の前でじっくりと育てていくことを空想している。。。
あぁ、物欲は止まらない。。。
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