"ザ・キャッシュマシーン" 読了!営業マネージャは今でも必読!
TOCに魅せられ続けている私です。
aostapp.hatenablog.com
などなどです。
今回読破したザ・キャッシュマシーンですが、この書籍の初版は2005年に発行されています。つまり
ゴールドラット博士が健在の時代に
コールドラット博士以外の人間が執筆
した本です。
ぶっちゃけ、そのスペックから、、、
まぁ、2流なんだろう
とTOCのなんたるかはまだ学んでる最中の初級編であるにも関わらず、偉そうに考えておりました。
概要
グラフィック系技術、プリンター、スキャナー技術を持つCGS社の販売を通じて見えてきた課題をTOCの考え方で突破していく、痛快ビジネス小説です。2年間かけて、爆発的に営業パフォーマンスを向上させ、マーケティング長→営業本部長→ CEOに駆け上がっていくのはまさに痛快です。視点はマーケティング〜制約までの販売の一連のプロセスに加えて、顧客導入完了〜着金迄というお金の入りの全ての流れを追いかけていきます。
もちろんTOCの5つのプロセスにくわえ、クラウド、CRT、DBR、CCPMなどまさにTOCというのものを存分に使い成功していくお話です。
感想
読む前にまず言いたいことが一つありまして。
題名が下品というかゲンキンというか
他に言い方ありませんでしょうか?って思うくらいw嫌いじゃないんですけどね。
まぁそれはさておき、直近私は、小さなSI企業で営業監督もしてたり、販売パイプラインの整備なども直近で行ったりしたので、この話はかなり興味深く読み解く形になりました。そして
気づき
販売プロセス単位のキャパシティ
先日会社でhubspotCRM(*free)の導入を行い、販売パイプライン管理を始めました。
パイプラインというのは、プロセスと、その販売確度(確度A,B,C,D的な)がメインなのかなと思っています。
本書ではそのプロセス単位のキャパシティに着目し文字通り制約を見つけ、活用強化を図ります。
- リード獲得
- 訪問、製品紹介
- ニーズの把握
- 提案と見積もり提示
- クロージング
とか簡単なパイプラインプロセスに対して、それぞれのステージの取引数とそのキャパシティを計測します。その結果、見積もり、提案に進んでいる取引が少ないということは、ここのリソースがボトルネックになってんじゃないの?
的なことを発見するところにあります。
ソフトウェアエンジニア症候群
ソフトウェアエンジニア業界にいて、1エンジニアであり、そいつらをずっと育成してきて16年の私です。
これは、、、非常に耳が痛いというのが本音なんですが、かなり上手く表しているなぁという印象ですね。
もし時間があれば、
- もっといいものを作ろうとする
- もっと能率の良いものを作ろうとする
- もっと完璧なものを作ろうとする
その時間全てを使おうとする
これは悪態ではなく「性質」と考えて取り組むことが必要ですね。
これは非常に重要です。後ろでは、個別完璧主義の否定、というか意味のなさを明記されています。
販売目標設定にCCPM
四半期末症候群も月末症候群と同じくあり、実際に私の会社も四半期単位で売上が上がるビジネスをしています。そして、これを「そういうビジネスモデルである」という言葉を使ってしょうがないものとして取り扱っています。
本書ではこれは目標設定の問題であると捉えており、目標設定を
- 四半期単位、達成しなければ罰する
↓
- 月単位の高い目標、達成しなくても罰しない、年単位でバッファ(達成できないことで失っても良い売上の合計)
と考える。この考え方はまさにCCPMです。
例えば売上目標設定(予算編成)を考えた場合に
従来型 単位:M円
四半期 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
売上 | 30 | 35 | 40 | 45 | 150 |
CCPM型 単位:M円
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | buffer | 合計 |
売上 | 14 | 14 | 14 | 15 | 15 | 15 | 17 | 17 | 17 | 18 | 18 | 18 | 42 | 150 |
(合計=1~12月の和 ー buffer)
となるわけですね。
こうすることで、四半期末症候群を回避し、毎月の高い目標のために頑張り続けることとが必要となるということです。
合わせて、達成時のインセンティブを大きくしなければならないこともあります。
機能別組織の弱さ
一連のキャッシュを生み出すプロセス=キャッシュマシーンは製造のように1部署、1工場の中でなされるわけではなく、機能別組織の中で組織を横断しています。この状況下では、組織間の連携がボトルネックになることもあることを強く示唆しています。
例えば、一連の入金までの管理が
マーケティング
→営業
→営業事務
→導入サポート
→経理
と流れていく中で、個別機能で個別KPIを設定し、それを達成しようとシクハクしたところで、それはダメなんです。組織関連携のミスによるタスク漏れや、後続プロセスのボトルネックによる売上計上の遅れなどは往々にあり得ます。
これを一気通貫に把握し、とくに数字を背負う営業が、しっかり後続までバックアップする考え方が必要と提唱しています。そのためには、営業部員へのインセンティブは契約成立ではなく入金完了時であるということです。これはSCMの考え方ですね。ゴール2などをよめばSCMとのヒモ付きがわかりやすい気がします。
- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
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最後に
営業マネージャの人にこの本を読んでもらって一度議論をしたいなと思っています。昨今の営業プロセスはhubspot社が本を出したように、「理系営業、論理営業」が賑わしています。僕は営業畑じゃないんで、アートではなくサイエンスとして営業を定義していくこの書籍には共感します。
みなさん、kindle化されていないので残念なのですが、ぜひご一読ください。
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