"トヨタ式大全"読了。すべての社会人の金字塔といいたい。
あぁトヨタ。日本と言えばトヨタ。トヨタ式は私の大好きなTOCの生みの親に当たる手法、概念であります。
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(全部読んだんですけど全部ブログ書けてないですww)
TOCは制約理論といって、個別最適化ではなく、制約部分を最大限活用することで全体最適を図る考え方です。この全体最適という考え方がトヨタ式を源流としており、エリヤフゴールドラット博士もトヨタ式の大野耐一氏を師事しています。
看板方式、ジャストインタイム、カイゼン、なぜなぜ分析等世界の常識となったトヨタ式。この本には本当にそのすべてが詰まってるんでしょうか?
概要
おおきく以下の章に構成されています。
章 | 内容 |
第1章 | 世界を制した「改善」のすべて |
第2章 | 「一語」でわかる行動哲学 |
第3章 | 仕事が変わる「トヨタの習慣」 |
第4章 | 「トヨタ力」で自分を伸ばす |
第5章 | 弱みを強みにした実践史に学ぶ |
これらの章に分類されたいずれも必ず聞き覚えのある192の知恵がそれぞれ数ページのショートプログラムに整理掲載されています。一貫して論じられていることは、単なる製造業の手法、生産方式ではなく、トヨタ式を作り上げていく、実践していく人、その人を育てるマインドであることがしっかり論じられています。
感想
私はTOCの書籍をすべて読みました。その結果源流であるトヨタ式に大きな興味を持ちこの本を手に取りました。
人の力は無限である
どこまでもさらによりよくして行ける
そのような気持ちがTOC、トヨタ式いずれにも強く強く根差しており、感動しました。生ける人間として目指すべきもの、努力、その積極的な姿勢等が育まれるのがトヨタ式の神髄です。
もう一つは、自己志向じゃなくて、他社志向、相手志向、顧客志向であるということです。後工程が前工程に取りに来るという、常に後工程を優先したものの考え方。output志向とでも言いましょうか。そして、そこに届ける高い品質の為に、工程づくり、仕組みづくり。
トヨタの考え方は、日本人、いや世界のすべての人が持っている働く人の基本的な考え方を、たまたま自動車生産というステージで体系立てられたものだということに気づかされます。
気づき
今回はkindleではなくて紙の本で読みました。以前トヨタ博物館に行って目に留まったんですね。ただ、これ、気になるところ付箋張って言ってたらもう全然足らなくなっちゃうんで googlekeepに目盛りまくってます。
ちょっと名言集っぽくもなります。w
整理整頓 39p
皆さん、整列するのではなく、整理整頓することが大事なんです。
ただ、きれいに並べるだけではだめ
なんです。必要なものが必要なときに必要なだけ取れるように、間違えないように配置されるようにしておくことが大事なんです。もちろんそうだと文字を見たらわかるんですが、気が付けばただの整列しかしていないこと、、多すぎる気がします。こんな当たり前のことも【ちゃんと】定義するトヨタ式。
知恵を育め 84p
後輩部下指導でついつい、答えを言ってしまうこと、正解を求めてしまうこと多分にあるかとおもいます。トヨタは
知恵を育め、教えるな、
助言せよ、教育ママになるな
というスタンスです。意識して私これは行っているですが改めて、頭が下がります。
なぜ見つからないか 105p
答えは簡単で、見つかるまで探していないということです。トヨタは投下時間等を意識して、リサーチなどをおろそかにすることを許しません。
徹底的に
必要なときに
ちゃんとやる
そんな姿勢です。
ラインが主役のオフィスに 136p
トヨタでは、生産工場への設備投資が当然最優先され、R&D,管理本部関連の説明はかなり後回しにするとのことです。まさに現場主義、会議室をきれいにしても何も生まれ内的な発想ですね。
できる人を抜く 152p
わたしもマネジメントの立場なんでこれはドキッとするんですが、人員を減らすときには、できる人から抜くそうです。なんとオソロしい。きれいごとのようにも聞こえますが、勇気をもってしなければならない。上がいないから下が育つ、仕組化が進むなどです。
金をかけないKAIZEN 172p
トヨタ式では人の知恵が無限の可能性があることを強く認め、その知恵を生かしたカイゼンを求めます。お金で投資した生産性の向上やカイゼンには人の知恵が乗っていないので、継続性、応用力がなく、単発の改善で終わってしまうということです。
あぁ。今の会社では本当に耳が痛い。。。猛省します。。。
止まる仕組みじゃなくて止める仕組み 215p
トヨタの生産工程は異常を検知して自発的に止められる仕組みになっています。そういう形で不具合を後工程に残さない、各工程で品質を担保する考え方が浸透しています。
我々ソフトウェアエンジニアでもこれは非常に学びが多いです。どうしても止まってしまう、コケてしまう。そんなことが多いんですが、その原因が生み出された時点で自発的に止まる、止められる、発見されるということがやはり大事だし、被害が最小限に収まると思います。昔のソフトウェア開発は少しその傾向があった気もしますが(画面系)最近はあまりないですね。
出来そうなことを指示しない 228p
人は、できないことに挑戦することで、無理難題を目の当たりにすることで困り、成長する。
創意工夫><ひらめき 243p
運じゃなくて努力で必ずなしえられる知恵の集合体が「創意工夫」であるということ。
代替案なき反対意見はNG 265p
めっちゃ共感!上司でも部下でも多いんですが、NO!で終わる人があまりに多い。きっと私も多分にそうなのだろう。。。猛省。
人の評価は金でしない 299p
人の評価は、案が採用されることの喜びややりがい、感動、名誉的なものが大事。金で人をつってはいけない。
カイゼンごっこをしない 321p
待ち合わせ室にマッサージ機を置いて、利用されないカイゼンを示した話でした。使われない、活躍しないカイゼンはけっきょく【ごっこ】だということです。マッサージチェアもないよりあるほうがいいかもしれませんが、つかわれないならダメ。改善した気になってしまう【ごっこ】だということです。
いつでもみれるだけならダメ 336p
いつでもどこでも見れるDWH等があるがそうではなく、関心があってもなくても視界に飛び込んでくるような情報管理が大事ということです。
伝え方 366p
伝え方はとても大事。そして他責にしない概念がとても大事。
伝わらないのは自分のせい。伝え方を伝わるまで工夫しなければならない。
発明家の仕事 410p
発明家はただのアイデアマンであってはならない。
発明家はたまたまうまく言った事例で成功ではない。
発明家は実用化されるまでが仕事である。製品がまだひな鳥の状態でほっておいてはいけない。しっかり翼を広げて飛び立つまで、その場を離れず親心でしっかり見守り育む責任がある。
あぁかっこいい。発明家one stop!